大人の矯正治療について
歯列矯正は、子供がするものだと思っていませんか。本来、矯正歯科治療には年齢制限がありません。どなたでも受けられる治療です。
少し専門的にご説明をすると、歯は顎の骨の中に植立していますが、一つ一つの歯は歯根膜と呼ばれる薄い膜状の組織に包まれています。歯根膜にある細胞の働きで、歯は歯槽骨の中で移動が可能です。歯根膜は一生動きます。そのため、いくつになっても矯正歯科治療を始めることができるのです。
最近では20~30代の患者さまはもちろん、50歳・60歳を過ぎて治療を始める方も少なくありません。
気なる方は、まずは相談から始めてみませんか?
これから矯正を始める5つの理由
年齢で、歯列矯正を始めるのをためらいますか?
大人の歯列矯正のメリットは、実はこんなにたくさんあります。
1. 噛む環境が整い、歯を長持ちさせることができる
正しい噛み合わせになると、毎日の食生活が豊かになるのはもちろん、噛み合わせのズレによる物理的負担が少なくなるので、歯を長持ちさせることができます。また、きちんと噛むことで歯根膜に適度の刺激が加わり、歯周病などの予防にもなるといわれています。逆に歯並びが悪いと歯垢が溜まりやすく歯のケアが難しくなります。
2. 歯並びのコンプレックスが解消できる
矯正最大のメリットは、外見的な悩みが解消すること。“長年のコンプレックスが解消できた””歯を見せて笑えるようになった””自分に自信がついて性格が前向きになった”など見た目だけでなく、気持ちにまで変化が生まれます。ただ、自分の理想にどこまで近づけるかはケースバイケース。しっかり相談してください。
3. 自分の納得できる方法を選択できる
加齢とともに体の適応力が落ちてくる成熟世代の矯正は、子供の矯正に比べて難しさはもちろんあります。その反面、顎などの骨格が定まっているために歯の移動計画が立てやすいとも考えられます。ただし、虫歯の治療の跡や歯周病、歯が足りないなどの複雑な問題もありますので、自分が納得できる方法を相談し選択してください。
4. 噛み合わせが良くなって、肩こりや不定愁訴が楽になる
噛み合わせは、食べ物を咀嚼するだけでなく、私たちの体のバランスにも深くかかわっています。噛み合わせが悪いことが原因で、肩こりや首痛、腰痛、頭痛などの不定愁訴が起こっているケースは少なくありません。歯列矯正を行うことで歯並びが整い、長年悩まされていたさまざまなトラブルが改善されるケースもあります。
5. 歯茎も健康になるから、口元にハリが出て表情が若々しくなる
年齢を重ねると、気になりだすのが歯茎の衰え。歯茎の色がくすんでいたり歯茎が痩せて口元が貧弱に見えてしまったり…。矯正をすることで、これらの悩みが解決する場合があります。歯並びが整い、歯茎が元気になると口元にハリが出て、表情も若々しく。また、日々のブラッシングなど、歯へのケア意識も高まるケースが多いようです。
40歳からの歯列矯正
40代は絶好のチャンスです。
40代という年齢は、”もう遅い”どころか、一生自分の歯で過ごすために、口腔内の環境をチェックする絶好のチャンスです。
40~50代は、体同様、歯にもメンテナンスが必要です。子育てが終わりひと段落して、あるいは子供と一緒に…歯の矯正を始める大人が増えています。矯正は10代にするもの、という考え方が変わってきています。当院には40代、50代はもちろん、60代の患者さまもたくさん通われています。
40~50代の方の歯並びは、虫歯や歯周病などの治療を受けていたり、矯正治療をする条件としては決して良い状態とは言えません。しかし、治そうとすると動機がしっかりしているため治療はスムーズに行く場合が多いのも特徴です。
これからの人生をより素敵なものに。
歯列矯正とは、単に歯並びをきれいにするだけではありません。長年気になっていた口元のコンプレックスが解消して気持ちが前向きになったり、これからの人生を自分の歯でおいしく食事できる可能性を高めてくれます。大人の矯正とは、今よりも快適な暮らしを実現するためのひとつの手段。
これからの人生に必要な体力や美しさを育てる”ウェルネス””フィットネス”のようなものだと考えると分かりやすいと思います。もちろん高額な治療費や、抜歯の可能性、装置を長時間つけるわずらわしさなど、歯列矯正にはデメリットがありますので、じっくり判断してください。
30年、40年先を見据えて。
さあ、あなたはこれから先、笑顔の美しい女性でいたいですか?80歳になってからも、自分の歯でおいしく食事をしたいですか?40~50代こそ自分の歯の将来を見直すべきタイミング。
歯も体と同じで、40年、50年使い続ければ、見た目も機能もいろいろと問題が生じてきます。一度自分の歯がどのような状態になっているかを知る良い機会です。
40歳を過ぎてから、歯茎がやせて歯にガタつきやズレが生じたり、歯間の隙間が広くなり、歯並びが貧相になったように感じる人も少なくないはず。これまで気にならなかった歯の美醜やトラブルが悪化し、矯正を始める人も増えています。
美しい、健康な歯を保つために。
歯並びも歳を取り、年齢が上がると歯周病などのリスクも増し、もともと歯並びの悪い人はさらに悪くなることもあります。歯のエイジングが進んでいく中で快適な生活を送るには、それなりのケアが必要です。健康維持のためにウォーキングをしたり、ジムに通う方もいますが、残念ながら歯並びはそうはいきません。これが大人の矯正がウェルネスのひとつとして重要な意味を持つ理由でもあります。
8020運動(80歳になっても20本自分の歯を残すキャンペーン)をご存知の方も多いと思います。まず、自分の歯並びの状態をきちんと知ることが、美しい、健康な歯を保つ第一歩です。
ドライマウスを知っていますか?
現代人に多いストレスや不規則な食生活、薬の副作用(睡眠薬・降圧剤・抗うつ剤など)により、ドライマウス人口が増加しています。
ドライマウス(口腔乾燥症)チェック
当てはまる項目が多いほどドライマウスの可能性が高くなります。
-
- 口の乾きが3か月以上毎日続いている
- 顎の下が繰り返し、あるいはいつも腫れている
- 乾いた食べ物を飲み込む際にしばしば水(お茶など)を飲む
- 日中水をよく飲む
- 夜間にのどが乾いて水を飲む
- 乾いた食品が噛みにくい
- 食べ物が飲み込みにくい
- 口の中がネバネバする
- 口の中が粘って話しにくい
- 口臭がある
- 義歯で口の中が傷つきやすい
口呼吸!あなたは大丈夫?
「口呼吸」という言葉をご存知ですか?免疫力が弱まり、体の機能が低下する原因ともなる口呼吸。あなたは大丈夫でしょうか?
本来呼吸は主に鼻で行います。しかし、最近は口で呼吸する人が異常に増えています。 口呼吸は、さまざまな病気をもたらします。代表例としては、アトピー性皮膚炎、ぜんそく、花粉症などのアレルギー性疾患があります。免疫力を低下させる為、カゼをひきやすくなりがちです。また、口呼吸をしていると口の中が乾燥して唾液の分泌が悪くなるため、虫歯や歯周病が起こりやすくなります。
口呼吸をしていると、口が開いたままになり、唇や舌と歯のバランスが崩れてしまいます。バランスが崩れたまま舌が歯を押し続ける状態は、歯並びが悪くなる原因になりますし、顔や体に歪みを生じさせる可能性もあります。まずはご自身が口呼吸をしていないか、チェックしてみましょう。
口呼吸checkをしてみましょう
自分を含め、家族全員をチェックしてみましょう!!
健康の為には、鼻呼吸という正しい呼吸法を身につけることが大切です。鼻呼吸は人間 が本来持っている自然治癒力を高める基本的な体の使い方。そして最も単純な治療です。
口・のどについてのチェック
-
-
- 気がつくと口が開いている
- 睡眠中に口を開けて寝ていたり、イビキを隣人に指摘される
- 目が覚めた時に舌背が口蓋にしっかりと触れていない
- 唇が乾いている(リップ・クリームが手放せない)
- 唇がひび割れしやすい
- 目が覚めた時に口の中がネバネバする
- 目が覚めた時にのどがヒリヒリする
- 目が覚めた時にのどにタンがからんでいる
- 目が覚めた時に口臭を感じる
- 熱心に歯を磨くのに、歯肉からの出血や、歯石がたまりやすい
- 熱心に歯を磨くのに、前歯が薄茶色に着色しやすい
- 熱心に歯を磨くのに、虫歯ができやすい
- 歯並びが悪い
- 上下の前歯が正しく接触していないで開いている(上顎前途)
- 口内炎ができやすい
- 扁桃腺が暗赤色に腫れている
- 発音が明瞭でない
- 食べ物を飲み込むのが上手でない(食べ物を口の中で長い時間クチャクチャ噛んで、なかなか飲み込まない)
- 食事中にむせやすい、嘔吐しやすい、のどが詰まりやすい
- 食欲不振、嚥下【えんげ】障害(食べ物をうまく飲み込めない)
-
顔についてのチェック
-
- 顔にしまりがない
- 鼻がつまる
- お口ポカンの顔
- 下顎が小さい
- 二重顎の人
- 話を聞く時に頬杖をする姿勢になる
- 髪を両脇下ろし、顔を細く見られる髪型スタイルを好む
全身についてのチェック
-
- 風邪を引きやすい
- 喘息、アトピー性皮膚炎がある
- 上を向いて寝るのが苦手(うつ伏せか横向き寝がすき)
- 睡眠中はよく夢を見る、ときに金縛りになることがある
- 肌が乾燥しやすい、手が荒れやすい、化粧ののりが悪くなった
- 立位・座位での姿勢が悪い(前かがみ気味の姿勢が多い)
- 肩こり、頭痛をおこしやすい
- おねしょ(子供)
- 夜泣き(子供)
- 胸の中央が凹んでいる漏斗胸
- 集中力が続かない
- 無気力がちだ
口呼吸を改善する5つのコツ
1. 意識して鼻呼吸を心掛ける。
常に唇を閉じるように意識すること。テレビを見ているとき、本を読むとき、パソコンを使うとき…無意識のときが肝心!!
2. 横隔膜呼吸を1日3分
1. 足を肩幅に開いて立つ。肩の力を抜き、リラックス。
2. 上の歯と下の歯の間は約1㎜開け、唇はきゅっと閉じる。
3. 肛門にも力を入れ、ぎゅっと閉じる。
4. 横隔膜(肋骨の下あたり)を上の方へ引き上げるように鼻からゆっくり息を吸う。
5. 吸えるだけ吸ったら、逆に横隔膜を下げるように鼻からゆっくり吐いていく。これを3分間繰り返す。1日に最低でも1回は行うようにする。自宅でも外出先でも気がついたときに行ってみよう!
3. 1~3㎝の高さの枕で、あおむけ寝を。
高すぎる枕は、空気の通り道を圧迫して口呼吸を促進してしまう。頭がある程度沈むよう柔らかくフワフワで1~3㎝程度の高さの枕が良い。素材は羽根がベスト。
あるいは後頭部と首の間に丸めたタオル(浴用サイズ)を当てて寝てもOK!また、横向きやうつぶせ寝は、鼻を圧迫して鼻呼吸を妨げるので、必ずあおむけで寝ましょう!
4. 唇を閉じて、左右均等に噛むクセを!!
口呼吸の人は、片方の歯で噛む「片噛みグセ」が多い。鼻呼吸ができない為、食べているときも、唇が開いて、クチャクチャと音を立てている人も。左右の歯で均等に噛むようにすれば、唇は自然に閉じるハズ。ゆっくりとよく噛んで食べるように。ひと口30回以上を心掛けて!口は閉じたまま、左右均等に噛むように、ガムで訓練すると良いでしょう!
5. 鼻呼吸促進グッズを利用する。
口にくわえて鼻呼吸を促すものや、鼻に装着して鼻腔を広げるものなど、さまざまな製品がある。
眠っているときは、自分の力では改善できないので、鼻腔を広げるテープやクリップなども、市販されているので、上手に利用すると良いでしょう!
乳児に関しては、おしゃぶりを早く取り上げないこと!!少なくとも、3歳半くらいまでは、おしゃぶりをくわえさせておくことをおすすめします。
※まずは、
口呼吸をしていないか、自分を含め、家族全員をチェックしてみましょう!!
健康の為には、鼻呼吸という正しい呼吸法を身につけることが大切なのです。鼻呼吸は人間 が本来持っている自然治癒力を高める基本的な体の使い方。そして最も単純な治療です。実 践するだけで、薬で治らない病気(アトピーやぜんそく)も改善するケースもあるのです!!