こんにちは。銀座矯正歯科です。
「矯正装置が目立つのが気になる」「仕事や日常生活に支障を出さずに治療を進めたい」「自分に合った矯正方法を知りたい」とお考えではありませんか?ワイヤー矯正とマウスピース矯正にはそれぞれ異なる特長があり、歯の動かし方や適応症例、日常生活への影響も異なります。
今回は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の仕組みや、それぞれのメリット・デメリットについて詳しくご説明します。自分に合った矯正方法を見つけるための参考にして、理想の歯並びに向けた一歩を踏み出しましょう。
1.こんなお悩みありませんか?
矯正治療を検討する際、多くの患者様が以下のようなお悩みや不安を抱えています。目立たず快適に治療を進めたい、生活や仕事に影響を出さずに矯正したいというお気持ちは、非常に多くの方に共通するものです。ここでは、そんな患者様の声に応え、矯正治療の種類や特徴について解説していきます。
矯正装置が目立つのが気になる
笑ったときや話しているときに矯正装置が目立つのは、気になってしまうものですよね。特にお仕事や学校、日常生活で装置が視線を集めると、どうしても気持ちが落ち着かない方もいらっしゃいます。そんな方には、目立たない矯正方法が適しています。
毎日の生活や仕事に支障を出さずに治療したい
矯正治療は長期間にわたるため、日常生活への影響が気になる方も多いでしょう。食事や会話、スポーツなど、普段の生活ができるだけスムーズに行えるかどうかは、矯正治療を続けやすくする大事なポイントです。特にお仕事が忙しい方にとっては、装置の取り扱いが簡単であることや、通院回数の少ない方法が望ましいかもしれません。
自分に合った矯正方法がわからない
矯正治療には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などさまざまな方法がありますが、どれが自分に適しているかは迷いやすい部分です。それぞれの治療法には、特徴や利点があり、歯並びの状態やライフスタイルに応じて最適な方法を選ぶことが可能です。まずは各治療法の違いやメリット・デメリットを知ることが、安心して治療を始めるための第一歩です。
矯正治療は患者様の悩みに寄り添いながら進めていくものです。治療前にじっくりと不安を解消し、自分に合った矯正法を見つけることで、より快適で前向きな治療がスタートできます。
2.ワイヤー矯正とは?
ワイヤー矯正は、従来から多くの方に選ばれている矯正方法で、歯の表面や裏側に装置を装着してワイヤーで歯を引っ張り、理想の位置へと動かしていきます。矯正治療の中でも、特に精度が高く、複雑な歯並びの矯正にも対応できるのが大きな特徴です。
装置の仕組み
ワイヤー矯正では、歯の表面または裏側にブラケットという小さな装置を取り付け、その間にワイヤーを通すことで、力を加えて歯を動かしていきます。このワイヤーの張力によって、歯が少しずつ正しい位置に移動するようデザインされています。ワイヤーの種類や調整具合によって、細かな調整が可能なのも魅力です。
歯の引っ張り方
ワイヤー矯正の特徴は、歯を「引っ張って」移動させる力の加え方にあります。この方法は、歯に対して比較的強い力を一定の方向に加えやすいため、複雑な歯列や噛み合わせの改善にも適しています。また、歯を根本から動かすことができるため、安定した治療結果を得やすい方法です。
ワイヤー矯正が得意とする症例
ワイヤー矯正は、次のようなケースに向いています。
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- 大きく重なり合っている歯の矯正
- 強い出っ歯や深い噛み合わせの改善
- 開咬(奥歯のみで噛む状態)や下顎の後退など、骨格の影響がある歯並び
ワイヤー矯正は、歯並びの変化が大きい場合や複雑な動きが必要な場合にも対応できるため、幅広い症例に対応できるのが強みです。
メリットとデメリット
ワイヤー矯正のメリットは、精密な調整が可能で確実な治療が期待できる点です。しかし、装置が目立ちやすいことや、食事や歯磨きがしにくいといった点もあります。特に歯の表側に装置をつける場合は、見た目が気になる方もいらっしゃるかと思いますが、裏側に装置をつける「舌側矯正」を選ぶことで、目立ちにくい治療も可能です。
ワイヤー矯正は、歯並びの改善をしっかりサポートし、複雑なケースにも対応できる優れた方法です。その分、患者様の生活における負担も考慮しながら、最適な装置や治療計画を選ぶことが大切です。
3.マウスピース矯正とは?
マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を使って、歯を少しずつ理想的な位置へ動かしていく矯正方法です。ワイヤーやブラケットを使わないため、装置が目立たないという利点があり、多くの患者様に人気の矯正法となっています。
透明で目立たない装置の特徴
マウスピース矯正では、透明なプラスチック素材でできたアライナー(マウスピース)を使用します。
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- 口元に自然に馴染むデザインで、治療中も他人に気づかれにくいのが大きなメリットです。
- 特にビジネスやプライベートでの見た目を気にする方におすすめです。
- 簡単に取り外しができるため、食事や歯磨きも普段通り行えます。
歯を少しずつ押して動かす仕組み
マウスピース矯正は、歯に力を「押す」形で加える仕組みになっています。
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- 各マウスピースは、患者様の歯並びに合わせて設計され、少しずつ歯を動かすために、2週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら治療を進めます。
- この「少しずつ動かす」というステップを経ることで、歯に負担がかからず、着実に理想の位置に導かれます。
- デジタル技術を使って事前に計画を立て、治療中も計画通りに進んでいるか確認しやすい点も、マウスピース矯正の特徴です。
マウスピース矯正に適したケースとそのメリット
マウスピース矯正は、すべての矯正ケースに適しているわけではありませんが、次のようなケースに効果的です。
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- 軽度から中度の歯並びの不正(隙間がある歯、軽い出っ歯など)
- 歯列が比較的整っているものの、微調整が必要な場合
- 矯正装置が目立たない方法を希望する場合や、取り外し可能な矯正装置を求める場合
この方法のメリットは、ワイヤー矯正に比べて痛みや違和感が少ないことです。さらに、取り外しができるため、口腔内を清潔に保ちやすく、食事や日常生活での制約も少なくなります。
自己管理と装着時間の重要性
マウスピース矯正は、患者様自身が装置を毎日20時間以上装着しなければ効果が出にくいため、自己管理が重要です。
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- 装着時間を守ることが、治療期間を短くし、理想の歯並びを実現する鍵となります。
- また、きれいに保つために、定期的なクリーニングや歯磨きにも気を配ることが大切です。
マウスピース矯正は、特に見た目を気にされる方や、柔軟な治療方法を求める方にとって非常に有効な治療法です。ただし、すべてのケースで最適な方法ではないため、歯科医と相談しながら、ご自身に合った矯正方法を見つけることが大切です。
4.歯の動かし方の違い:押す力と引く力
矯正治療で歯を動かす仕組みは、ワイヤー矯正とマウスピース矯正で異なります。ここでは、各矯正方法での「力」の使い方や、それが歯並びに与える影響についてご説明します。
ワイヤー矯正:引く力で動かす
ワイヤー矯正では、ワイヤーとブラケットが歯に引っ張る力をかけ、計画的に歯を動かしていきます。
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- ブラケットに装着されたワイヤーが少しずつ引っ張ることで、歯が理想的な位置に移動します。
- ワイヤーは歯の位置や歯並びの状態に合わせて調整可能なため、特に重度の不正咬合や、細かく調整が必要な症例に向いています。
- 細かな歯の動きが可能で、理想的な歯列に仕上げるために最適な力を細かくコントロールできるのが特徴です。
マウスピース矯正:押す力を利用する
一方で、マウスピース矯正は歯を「押す」力で少しずつ動かします。
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- 患者様一人ひとりの歯並びに合わせて作られたマウスピースを装着することで、歯に対して一定方向から圧力をかけ、少しずつ移動を促します。
- マウスピースの交換は通常2週間ごとに行い、次のアライナーに進むことで新しい圧力が加わり、少しずつ理想の位置に歯が動いていきます。
- 「引く」力を使うワイヤー矯正とは異なり、マウスピース矯正はあくまで「押す」力をメインに使うため、軽度から中等度の矯正が適している場合が多いです。
それぞれの矯正法が適用される歯並びの特徴
ワイヤー矯正とマウスピース矯正は、それぞれの力の特性によって適応する歯並びや症例が異なります。
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- ワイヤー矯正は、複雑な歯の重なりや大きな移動が必要な場合に向いています。例えば、奥歯や上下の歯全体を細かく整える際に役立ちます。
- マウスピース矯正は、軽度の出っ歯や隙間がある歯、歯並びが比較的整っているが微調整が必要な場合に適しています。日常生活で取り外しができ、見た目が自然なのも人気の理由です。
選択時に考慮すべき点
治療の効果や期間、歯並びの状態によって最適な方法が異なるため、どちらの方法が自分に合うかを事前に確認しておくことが重要です。
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- 長期間しっかりと装着し続けられるか、見た目を優先したいかなど、患者様の生活スタイルに合わせた選択が大切です。
- また、症例の難易度や治療のゴールによって、より適した方法を歯科医師が提案しますので、まずは気軽に相談してみてください。
歯の動かし方の違いにより、治療法に適した症例も異なります。それぞれの特性を理解し、ご自身の理想に合った矯正方法を見つけていきましょう。
5.見た目への影響:目立ちにくさと治療中の印象
歯列矯正を始める際、多くの患者様が気にされるのが「矯正装置の見た目」です。特に仕事や日常生活で周囲の目が気になる方にとって、どの矯正方法が自分に合うかを知ることはとても大切です。ここでは、ワイヤー矯正とマウスピース矯正が見た目に与える影響についてご紹介します。
ワイヤー矯正の見た目
ワイヤー矯正では、歯の表面にブラケットとワイヤーが取り付けられるため、見た目のインパクトが大きいと感じる方も少なくありません。
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- ブラケットの種類:透明や白のブラケットを使用すると、金属のブラケットに比べて目立ちにくくすることが可能です。
- 裏側矯正:歯の裏側に装置を付ける「裏側矯正」もあり、これを選ぶと、外からは装置が見えにくくなります。日常のコミュニケーションや職場での印象を重視される方にはおすすめです。
マウスピース矯正の見た目
マウスピース矯正は透明のマウスピースを使用するため、装着していることがほとんど目立たないのが特徴です。
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- 透明性:透明素材で作られているため、近くで見られない限り矯正していることがわかりにくく、自然な口元を維持できます。
- 取り外しが可能:必要に応じて取り外しもできるため、特に大切な場面やイベント時には一時的に外すことが可能です。
日常生活や仕事への影響
矯正装置が目立つかどうかは、日常生活や仕事の場での印象にも影響します。
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- ワイヤー矯正では、しっかりと装着されているため、常に装置が見える状態になります。特に接客業や営業職など、人と接する機会が多い方にとっては、多少の気遣いが必要です。
- マウスピース矯正の場合、装置が目立ちにくいため、自然に治療を進めることが可能です。歯磨きや食事の際に取り外しができるため、より柔軟な対応ができます。
見た目が気になる方へのアドバイス
矯正治療を始める前に、見た目に対する心配や不安について歯科医師と相談することも大切です。
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- 透明な装置の利用:マウスピース矯正を選ぶことで、見た目の自然さを保つことができます。また、ワイヤー矯正でも透明なブラケットを使用するなど、できる限り目立たない選択肢を取り入れることが可能です。
- ライフスタイルに合わせた選択:見た目が気になるかどうかは、患者様のライフスタイルや個々のニーズによって異なります。歯科医師と十分に話し合い、自分にとって無理なく続けられる治療方法を見つけていきましょう。
見た目の問題は矯正治療において重要なポイントのひとつです。目立ちにくさと治療の進めやすさを考慮しながら、安心して治療を進められる方法を選ぶお手伝いをさせていただきます。
6.通院頻度と自己管理の違い
矯正治療を受ける際、通院頻度や自己管理の手間も大事なポイントです。ワイヤー矯正とマウスピース矯正では、この通院頻度や管理方法が異なりますので、それぞれの特徴を理解して、自分に合った方法を見つけるお手伝いをいたします。
ワイヤー矯正の通院頻度とサポート
ワイヤー矯正では、通常1か月に1回程度の通院が必要です。矯正の専門医によるチェックと、ワイヤーの調整が必要となるため、定期的な来院が治療の成功に直結します。
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- 定期的な調整:ワイヤーの締め具合やブラケットの位置を調整するため、専門医のサポートが欠かせません。
- 装置が壊れた場合の対処:ワイヤーやブラケットが外れたり壊れたりした場合、迅速な対応が必要です。こうしたトラブルの際にも通院が求められます。
- 忙しい方には要検討:仕事や家庭の事情で通院の時間が取りづらい方には、通院頻度がデメリットになる場合もあります。
マウスピース矯正の通院頻度と自己管理
マウスピース矯正は、患者様自身での管理が非常に重要な治療法です。通院頻度が少なくて済む一方で、毎日20~22時間の装着と自己管理が必要になります。
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- 少ない通院頻度:治療の進行に合わせて数か月に1回程度の通院が一般的です。定期的にアライナーの交換だけで治療が進むため、時間に余裕のない方にも対応しやすい点が魅力です。
- 自己管理が重要:マウスピースは取り外し可能なため、装着時間を守らないと治療が進まないリスクがあります。推奨される装着時間を守ることが成功の鍵です。
- 通院頻度が少ない分の責任:通院の手間が少ない分、自宅での自己管理が求められます。装着時間の管理に加え、アライナーの清掃や保管も自己責任で行うことが大切です。
忙しい方に向けた矯正方法の選び方
忙しい方にとって、頻繁な通院が難しい場合もありますので、自分のライフスタイルに合った矯正方法を選ぶことが重要です。
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- 通院が負担に感じられる方:マウスピース矯正は少ない通院で治療を進めることができるため、仕事や学業が忙しい方にはメリットがあります。
- 自己管理が苦手な方:マウスピース矯正は自己管理が鍵となるため、装着時間の管理や定期的な清掃が苦手な方にはワイヤー矯正が向いているかもしれません。特に通院時に医師の指導が受けられるため、安心して治療を進めやすいです。
通院頻度や自己管理の違いは、矯正治療をスムーズに進めるための重要なポイントです。矯正治療を長期間続けるには、ライフスタイルに合った選択が鍵となりますので、ぜひ医師と相談しながらご自分に合った治療方法を選んでいきましょう。
7.治療のスピードと仕上がりの違い
矯正治療では、スピードや仕上がりの精度が気になるポイントです。ワイヤー矯正とマウスピース矯正では、歯の動かし方の違いにより、治療にかかる期間や仕上がりに違いが出てきます。それぞれの特徴を踏まえながら、自分に合った治療方法を選ぶ参考にしてください。
ワイヤー矯正のスピードと治療期間
ワイヤー矯正は「引く力」を利用して歯を動かすため、歯の動きがスムーズで速く、複雑な歯並びにも対応できるため、治療のスピードが比較的早い傾向にあります。
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- 複雑な症例に強い:特にねじれや重なりが強い歯並びや、噛み合わせの大きな改善が必要な場合に適しています。
- 計画通りに進みやすい:ワイヤーの調整を通じて歯を一定の力で動かせるため、進捗が比較的安定しており、治療期間が予測しやすいのが特徴です。
マウスピース矯正のスピードとメリット
一方、マウスピース矯正は「押す力」で歯を少しずつ動かすため、治療のスピードはワイヤー矯正に比べて緩やかです。特に、軽度から中等度の矯正に適しており、見た目の自然さも大きなメリットとなります。
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- マイルドな動きで快適:1枚ごとに少しずつ動かすため、痛みや違和感が少なく、通院頻度も少なめで済みます。
- 治療期間の目安:治療の進行具合や日常生活の負担を考慮し、ゆっくりとした進行が望ましい方に向いています。多くの患者様が無理なく治療を続けられる点が魅力です。
仕上がりの精度に関する比較
どちらの方法も最終的な歯並びの改善に効果的ですが、仕上がりの精度には若干の違いが見られることもあります。特に、細かな調整が求められる場合にはワイヤー矯正が優れた選択肢となることが多いです。
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- ワイヤー矯正の仕上がり精度:複雑な症例や歯並び全体を精密に整える必要がある場合、細かな調整ができるワイヤー矯正が適しています。
- マウスピース矯正の自然な仕上がり:比較的軽度な歯並びの乱れに対して、自然で美しい仕上がりが期待できます。また、マウスピースの透明性により、治療中も目立たず自然な印象を保てる点が大きなメリットです。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正のどちらを選ぶかは、治療のスピードや仕上がりの希望、そして生活スタイルやご自身の負担を考慮し、担当医としっかり話し合うことが大切です。
8.日常生活への影響:食事・清掃性の違い
矯正治療を進める中で、日常生活への影響が気になる方も多いでしょう。特に「食事」や「清掃のしやすさ」は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正で大きな違いが出るポイントです。患者様の生活習慣や好みに合わせて、それぞれの矯正方法の特徴を確認してみましょう。
ワイヤー矯正での食事の注意点
ワイヤー矯正では、歯にワイヤーとブラケットを取り付けるため、食べ物が装置に引っかかりやすくなります。また、装置の破損や歯への負担を防ぐため、以下の食材に注意が必要です。
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- 避けたい食材:キャラメルやガムなどの粘着性のあるものや、ナッツなどの硬い食品は避けるようにしましょう。
- 工夫が必要な食事:リンゴやにんじんなどの硬いものは細かく切ることで、装置への負担を減らし、安全に楽しむことができます。
- 食後のケア:装置に食べかすが残りやすいため、食後には丁寧に歯ブラシをかけることが必要です。矯正用のブラシやデンタルフロスを活用することで、衛生管理がしやすくなります。
マウスピース矯正が清掃しやすい理由
マウスピース矯正は取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際にマウスピースを外せるのが大きなメリットです。これにより、装置に汚れが残ることなく、清掃がしやすい点が魅力です。
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- 食事中の装着は不要:食事の際にはマウスピースを外して、普段通りの食事を楽しめます。これにより、食べ物の種類を気にすることなく、好きな食事が可能です。
- 歯磨きのしやすさ:取り外してからしっかりと歯磨きができるので、矯正前と同じように清掃が可能です。マウスピース自体も専用の洗浄剤やブラシを使用して簡単に清掃できます。
- 清潔を保つコツ:日々のケアとして、マウスピースを毎食後に洗浄し、乾燥させてから保管する習慣をつけることで、清潔な状態を維持できます。
生活習慣に合った矯正方法の選び方
ワイヤー矯正とマウスピース矯正のどちらが患者様の生活スタイルに合っているかを考える際、以下の点を参考にしてください。
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- 食事の好み:ワイヤー矯正では食べ物に制限がかかりますが、マウスピース矯正ならば食事に関してはほぼ制限がなく、日常の食事が気軽に楽しめます。
- 清掃の手間:ワイヤー矯正ではブラケットやワイヤー周りに汚れが溜まりやすいため、入念な清掃が必要です。一方、マウスピース矯正は取り外して清掃できるため、通常の歯磨きと同じようにケアができます。
- 外出先での対応:外出時に気軽に外して清掃できるのはマウスピース矯正の利点ですが、装着を忘れると治療効果が落ちるため、自己管理が大切です。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正には、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。食事や歯の清掃方法に関する影響を考慮し、患者様の生活スタイルに合った矯正方法を選ぶことが、矯正治療を快適に進めるポイントです。
9.適応症例の違い:どちらの矯正が合うか?
ワイヤー矯正とマウスピース矯正には、それぞれ得意とする症例があります。患者様の歯並びや治療目標に応じて、どちらが適しているかを見極めることが重要です。ここでは、それぞれの矯正がどのようなケースに向いているかを解説いたします。
ワイヤー矯正が得意とする重度のケース
ワイヤー矯正は、幅広い症例に対応できる点が大きな強みです。特に、歯の移動が大きい場合や、複雑な歯並びの問題がある場合には、ワイヤー矯正が適しています。
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- 重度の不正咬合:ワイヤー矯正は、噛み合わせが大きくズレているケースや、上下の歯の位置関係に問題がある場合に効果を発揮します。
- 複雑な歯列の乱れ:歯が重なっている、回転している、または大幅に動かす必要があるなど、複雑な歯並びの矯正が必要な場合には、ワイヤー矯正が精密なコントロールが可能です。
- 多くの動きを必要とする症例:ワイヤー矯正は、歯を引っ張る力で一括して動かすことができるため、大幅な歯の移動を伴うケースにも対応可能です。
マウスピース矯正が得意とする軽度の症例
マウスピース矯正は、軽度から中程度の歯並びの乱れに適しています。透明で目立たないため、見た目を気にされる方や、比較的簡単な症例で治療を希望される方にとっては優れた選択肢です。
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- 軽度の歯列不正:わずかな歯のズレや、歯並びの改善が目的の場合には、マウスピース矯正が適しています。例えば、前歯が少し重なっているケースなどです。
- 審美的な改善が主な目的:特に見た目を重視したい方には、マウスピース矯正が最適です。装置が透明で目立ちにくく、ビジネスやプライベートでの自然な笑顔を保てます。
- 比較的短期間での治療:マウスピース矯正は、短期間で改善できる症例に向いています。自己管理ができる方で、軽度の不正咬合の場合はスムーズな治療が可能です。
具体的な症状に合わせた矯正の選び方
患者様の症状に合わせて、最適な矯正方法を選択するために、以下のポイントに注目してみましょう。
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- 歯の動きの大きさと方向:大幅な動きが必要であるか、細かな調整で十分かによって、ワイヤー矯正とマウスピース矯正のどちらが適しているかが変わります。
- 治療期間と生活スタイル:ワイヤー矯正は定期的な通院が必要で、管理も歯科医に依存しますが、マウスピース矯正は自分で取り外しが可能なため、スケジュールに合わせた管理が可能です。
- 見た目への配慮:目立ちにくい装置を希望される方はマウスピース矯正が適していますが、治療の成果を重視する場合には、ワイヤー矯正を選ぶことで確実な結果が得られる場合もあります。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正は、それぞれ異なる特性と適応症例を持っています。患者様の歯並びやご希望に応じて、どちらの方法がより理想的な仕上がりを実現できるかを確認しながら、最適な治療法を選びましょう。
10.よくある質問
矯正治療を始めるにあたって、ワイヤー矯正とマウスピース矯正にはどのような違いがあるのか気になる患者様も多いかと思います。ここでは、よくある質問をもとに、それぞれの特性についてお答えします。
どちらの方が治療が早いのか?
治療のスピードは歯並びの状態や矯正の目的によって異なりますが、一般的にワイヤー矯正の方がスピーディに進むケースが多いです。ワイヤー矯正は歯全体を引っ張りながら動かす力がかかるため、大幅な動きが求められる場合に向いています。一方、マウスピース矯正は一度に動かせる範囲が限られているため、軽度から中程度の歯並びの改善であればスムーズに進められますが、複雑なケースでは治療期間がやや長くなることがあります。
見た目が気になる場合、どちらが良いか?
矯正中の見た目を気にされる方には、マウスピース矯正がよりおすすめです。マウスピース矯正は透明で目立ちにくいため、日常生活や仕事の場面でも安心して装着できます。対して、ワイヤー矯正も最近では白や透明のワイヤーやブラケットを使用することで目立ちにくい工夫がされていますが、マウスピースほど自然な見た目を保つことは難しい場合もあります。
通院回数が少ない方がいいのはどちらか?
通院回数に関しては、自己管理がしやすい方であれば、マウスピース矯正が便利です。マウスピース矯正は定期的に通院してチェックは必要ですが、患者様自身で新しいマウスピースに交換することができるため、通院頻度が比較的少なくなります。ワイヤー矯正では、ワイヤーの調整が定期的に必要なため、月に1回程度の通院が推奨されています。そのため、忙しい生活の中で通院頻度を抑えたい方には、マウスピース矯正が選ばれることが多いです。
痛みや違和感はどちらが少ないか?
痛みや違和感に関しては、矯正の段階や個人差によりますが、一般的にマウスピース矯正の方が軽いと感じられる方が多いです。マウスピース矯正は歯に対して少しずつ圧をかけて動かしていくため、痛みが少ないことが特徴です。ワイヤー矯正では、ワイヤーの調整後にしばらく痛みや圧迫感を感じることがありますが、これは歯が計画通りに動いている証拠でもあります。
どちらの方法が歯をしっかり動かせるか?
歯並びの改善度や必要な動きにより、最適な方法が異なります。ワイヤー矯正は強力な力で歯をしっかり動かすため、複雑な歯並びや広範囲にわたる動きが必要な症例に適しています。逆に、マウスピース矯正は軽度から中程度の歯並びの改善には向いており、見た目も気にしながら治療を進められる利点があります。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正は、それぞれ異なる特性を持つ矯正方法です。どちらの方法にもメリットとデメリットがあり、患者様のニーズや生活スタイルに応じて最適な選択が必要です。治療のスピード、見た目の配慮、通院頻度、痛みの感覚など、さまざまな要因を考慮して、自分に合った矯正方法を選ぶことが重要です。
不安や疑問がある場合は、遠慮せずに歯科医師に相談しましょう。しっかりとしたコミュニケーションを通じて、あなたの理想の歯並びを実現するための最良の道を見つけられます。
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東京都銀座駅の矯正歯科
銀座矯正歯科
〒104-0061
東京都中央区銀座3-3-14
銀座グランディアビルⅡ 6F
☎︎03-3567-5454
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*監修者
*経歴
1998年 富山県立富山中部高等学校卒業。1998~2004年 日本大学松戸歯学部。
2004~2008年 日本大学大学院(歯科矯正学専攻)。
2008~2012年 日本大学松戸歯学部 歯科矯正学講座 助手(専任扱)。
2012~2020年 医療社団法人真美会 銀座矯正歯科 アシスタントドクター。
2013~2014年 ニューヨーク大学CDEP 矯正学修了。
2014~2018年 日本大学松戸歯学部 顎顔面外科学講座 兼任講師。
2014~2015年 カリフォルニア州立大学LA校CDEP 矯正学修了。
2019~2023年 日本大学松戸歯学部 歯科矯正学講座 兼任講師。
2021年~ 医療社団法人真美会 銀座矯正歯科 院長。
2022年~ 一般社団法人日本デジタル矯正歯科学会 理事・学術担当。
2023年~ 日本大学松戸歯学部 歯科矯正学講座 クリニカルアドバイザー。
2023年~ Digital Dentistry Society Ambassador (Japan)。
2023年~ 日本大学松戸歯学部 歯科矯正学講座 同門会副会長。
2023年~ Ray Face (Ray Dent, Korea) Key Opinion Leader。
*主な所属学会
・日本矯正歯科学会(認定医)
・International Congress of Oral Implantologists (ICOI) インプラント矯正認定医
・Digital Dentistry Society 日本アンバサダー
・先進歯科画像研究会(ADI)歯科用CT認定医
・厚生労働省認定 歯科臨床研修指導医
・日本美容外科学会(JSAPS)関連会員
・Orthopaedia and Solutions マネージャー
・BIODENT 寿谷法コルチコトミーベーシックコース インストラクター
・BIODENT モディファイドコルチコトミーコース インストラクター
・(株)YDM 矯正器材アドバイザー
・ABO Journal Club 主宰
・Cutting Edge of Digital Orthodontics 主宰
*論文・学会発表
- ・加速矯正とアライナー治療による治療期間のコントロール ザ・クインテッセンス2022年11月号
- ・進化するデジタル歯科技術Extra モディファイドコルチコトミー法とSureSmileによる矯正治療 日本歯科評論 81(8)=946:2021.8
- ・進化するデジタル歯科技術 : 3Dプリンターは臨床をどう変革するか(4)矯正治療における3Dプリンターの臨床応用 日本歯科評論 81(4)=942:2021.4
- ・矯正用光重合型レジン系接着システムの接着性能 接着歯学2013年31巻4号P159-166
- ・歯科矯正学における3D診断および治療計画(翻訳)クインテッセンス出版
- ・基礎から学ぶデジタル時代の矯正入門(翻訳統括)クインテッセンス出版
- ・矯正歯科治療のためのコルチコトミー(翻訳)
- ・Effects of compression force on fibroblast growth factor-2 and receptor activator of nuclear factor kappa B ligand production by periodontal ligament cells in vitro. J Periodontal Res. 2008 Apr;43(2):168-73.
- ・Evaluation of the success rate of single- and dual-thread orthodontic miniscrews inserted in the palatal side of the maxillary tuberosity. J World Fed Orthod. 2022 Jun;11(3):69-74.
- ・T-helper 17 cells mediate the osteo/odontoclastogenesis induced by excessive orthodontic forces. Oral Dis. 2012 May;18(4):375-88.
- IL-8 and MCP-1 induced by excessive orthodontic force mediates odontoclastogenesis in periodontal tissues. Oral Dis. 2011 Jul;17(5):489-98.
- ・Effects of HSP70 on the compression force-induced TNF-α and RANKL expression in human periodontal ligament cells. Inflamm Res. 2011 Feb;60(2):187-94.
- ・Effects of relaxin on collagen type I released by stretched human periodontal ligament cells. Orthod Craniofac Res. 2009 Nov;12(4):282-8.
- ・Levels of RANKL and OPG in gingival crevicular fluid during orthodontic tooth movement and effect of compression force on releases from periodontal ligament cells in vitro. Orthod Craniofac Res. 2006 May;9(2):63-70.
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