大人の歯列矯正で後悔することの多くは「歯列矯正の開始時期」や「カウンセリング内容」「抜歯の有無」などではないでしょうか。
事前に把握しておかなければ大きな後悔につながる可能性があるため、歯列矯正を検討する際は必ずどのようなことに気を付ける必要があるのかを視野に入れておかなければなりません。
この記事では大人の歯列矯正で後悔しないために、どのような点に気を付けるべきかを解説します。
1:大人の歯列矯正で気を付ける4つのこと
大人の歯列矯正において後悔につながりやすい要素は以下の3つです。
・歯列矯正の開始時期
・カウンセリング内容
・抜歯の有無
これらを踏まえ、どのような点に気を付けるべきか、ここでは4つの点について解説します。
・不安や疑問をそのままにしない
・途中で投げ出さない
・医師の指示を無視しない
・歯科医院を適当に選ばない
不安や疑問をそのままにしない
歯列矯正において後悔につながりやすいのは「カウンセリング時に細かく質問できなかった」といったケースです。
ドクターとのカウンセリング時に歯列矯正の流れや必要性、どのような方法によって実施するのかを細かく話し合えなかった方の多くは、歯列矯正そのものに後悔しているケースが多いのです。
疑問に感じたことはしっかりドクター、または看護師に確認する、感じた不安はその都度相談し解消させるなど、細かなものであっても放置せず、後悔しない歯列矯正になるよう心がけることが必要です。
途中で投げ出さない
一般的な歯列矯正の期間は、部分矯正であれば6か月~10か月、全範囲矯正の場合は1年半ほどかかるといわれています。
必要な期間の途中で投げ出してしまうと、ワイヤーが付けっぱなしの状態となるために歯磨きがしにくいといった不都合や、虫歯、歯周病などのリスクが発生してしまう可能性があります。歯列矯正にともなうグリップ・ワイヤーの取り外しは、自分では行うことができません。これまでの治療費が無駄になってしまうでしょう。
転勤や引っ越しなどやむを得ない事情で中断する場合には、通院していたドクターに相談し、どのような治療を進めていくべきかを決めることが大切です。
医師の指示を無視しない
歯列矯正を進めるうえで大切なのは「医師の指示を無視しない」ことです。治療には個人差があるため、通院の頻度も異なります。
一般的には1か月に1回の通院が目安とされ、ワイヤーの交換・調節を行いながら矯正を進めます。しかし、通院の頻度によっては煩わしさを感じる方や、途中で投げ出したり医師の指示を守らなかったりといった方も少なくありません。
マウスピース矯正であれば自分で交換して進められるものの、ワイヤー・グリップを要する歯列矯正の場合は自分で交換・取り外すことができないため、こまめなメンテナンスが必要不可欠です。
ドクターの指示に合わせた歯列矯正を進めるために、ご自身のスケジュールも把握し、着実に治療が行えるよう心がけるよう留意しましょう。
歯科医院を適当に選ばない
後悔しない歯列矯正を行うには、歯科医院の選び方にも注意が必要です。
・近くにあるから
・簡単にできそうだから
・今すぐ歯列を治したいから
このように安易な気持ちで歯列矯正を開始させてしまえば「後悔がともなう歯列矯正」となるでしょう。そうならないためにも、歯科医院を選ぶ際は以下のポイントを重視してください。
1.ドクター・看護師とのコミュニケーションが取りやすい
2.歯列矯正にともなうデメリットも明確に答えてくれる
3.自分に合った歯列矯正の情報を共有してくれる
4.アフターケアなどトラブルにも対応してくれる
5.料金について詳しい説明がある
5つのポイントを重視したうえで歯科医院を選べば、通いやすく歯列矯正を進めやすいでしょう。
なかには自分の得意な歯列矯正のみを紹介するドクターや、疑問について明確な回答がないまま歯列矯正を開始する歯科医院もあります。
少しでも不安や疑問がある場合は、すぐにドクター・看護師に相談し、問題をクリアできる歯科医院であるかも判断基準にするのが望ましいです。
2:大人の歯列矯正でよくある誤解とは
大人の歯列矯正において後悔が生まれてしまうのは、ある「誤解」が起因かもしれません。ここでは大人の歯列矯正において誤解されやすい4つの要素について解説します。
・若いうちに矯正した方がよいという誤解
・虫歯や歯周病があると矯正できないという誤解
・抜歯していないと後戻りしやすいという誤解
・裏側矯正は表側矯正より治療期間が長いという誤解
上記4つの誤解に留意して歯列矯正を検討してください。
若いうちに矯正した方がよい
歯列矯正を始める場合、年齢はさほど関係ありません。
子どもから大人、高齢者まで幅広い年齢の方が歯列矯正は可能です。歯を支える顎の骨に異常がない場合は、誰でも受けることが可能なのです。
また、大人になってからの歯列矯正は、しっかりとした歯磨きができるため虫歯を予防しながら歯列を治したり、以前から気になっていた滑舌・発音の改善につながったりなど多くのメリットがあります。
さらに、大人になってから気付いた肩凝りや頭痛の改善にも役立ちます。
このように、顎の骨が正常な方なら誰でも歯列矯正を受けることが可能なのです。
虫歯や歯周病があると矯正できない
虫歯や歯周病があっても、歯列矯正は可能です。まずは虫歯・歯周病の治療を経てからの実施となりますが、歯列矯正は行えます。軽度の虫歯であれば経過観察をしながら歯列矯正を進めることも可能です。
虫歯・歯周病の治療を経てからの歯列矯正となるのが一般的であるため、通院期間は伸びてしまいます。しかし、歯列矯正そのものの期間は伸びることがなく、歯の疾患そのものを根本解決できる環境となるため、口内の問題をクリアするには最適な機会といえるでしょう。
抜歯していないと後戻りしやすい
歯列矯正を行うにあたり、「抜歯をせずに行うと後戻りしやすい」と誤解されがちです
歯列矯正には抜歯してスペースを確保して行う方法と、抜歯せずにスペースを確保して行う方法の2種類があります。抜歯しない歯列矯正では、歯の位置を本来の場所に戻し、スペースを充分に確保してから歯列矯正を行います。
そのため、抜歯を行えばすぐにスペースを確保できますが、抜歯しない場合は時間をかけてスペースを確保する治療であることから、抜歯を行う歯列矯正よりも時間がかかってしまうデメリットがあります。
しかし、時間をかけて充分なスペースを確保するため、後戻りしやすいといった問題は誤解と判断できるでしょう。
裏側矯正は表側矯正より治療期間が長い
裏側矯正は表側矯正よりも治療期間が長いといった問題も、実は誤解です。裏側矯正は時間がかかると考えられていましたが、ブラケットの進化・改良によってどちらの歯列矯正であっても治療期間は変わらないといわれています。
大人であればいずれの歯列矯正も1年~1年半ほどで終了します。ドクターとのカウンセリングで相談し、ご自身の希望に合う歯列矯正を取り入れるとよいでしょう。
まとめ
大人の歯列矯正で後悔しないためには、カウンセリング時に不安や疑問を細かく相談し、クリアにさせることです。またご自身の希望に合わせてくれる歯科医院を選ぶこともポイントです。
歯列矯正は長期にわたって行うものなので、理想的な歯科医院であるかどうかしっかり見極める必要があります。本記事でご紹介した大人の歯列矯正で気を付けるべきことや誤解なども考慮しながら、歯列矯正を検討してください。