最近では、モデルや芸能人などの白い歯が目立ち、自分の口元と比べることが多くなっています。そんな中で歯の白さよりも、歯並びをきれいにしたいと望む高校生も多くいます。
歯並びをきれいにするには歯列矯正で治療を開始しますが「どのように矯正歯科を選べばよいか分からない」といった方も少なくないでしょう。
そこで今回は、歯列矯正したい高校生に対して、良い矯正歯科の選び方を解説します。
1:高校生の矯正歯科の選び方
歯列矯正をおこなうベストなタイミングは、乳歯から永久歯にすべての歯が生え変わった時期です。
ほとんどの方が遅くても14歳までにはすべての歯が永久歯に生え変わります。高校生では確実に永久歯が揃っていて顎の骨もしっかり成長しているため、高校生で歯列矯正をおこなうには、何の問題も発生しません。
ただ歯列矯正では長期の治療期間が必要です。ここでは高校生のための、矯正歯科の選び方について解説します。
学校生活への影響
矯正治療は2~3年と治療期間が長く、4~6週間に1回は通院が必要です。
高校生は学業や部活の大会に向けての練習など、忙しい学生生活を送る生徒も少なくありません。そのため忙しい学校生活に悪い影響をおよぼさないように、できるだけ自宅近くの矯正歯科での治療が望ましいです。
遠方になると、学校生活を優先するために通院がしにくい状況となり、矯正治療が予定通りに進まなくなります。できるだけ通院しやすい矯正歯科を選んでください。
受験時期
高校3年生になり大学受験が本格化してくると、通院する時間ももったいなく、とにかく勉強に集中したいと考える生徒が多いでしょう。そんな時に定期的な通院は受験にとって、マイナスになってしまうので考えものです。
しかし矯正歯科では治療開始時に受験について相談しておけば、受験期間中は治療間隔を空けることも可能です。治療を開ける間隔は、相談すればベストなアドバイスをしてもらえるので安心です。
このように、最初のカウンセリング時に受験期間に治療の間隔を空けることができるか確認して、対応してもらえる矯正歯科を選ぶことが重要です。
矯正中の見た目
歯列矯正では矯正装置を装着して歯を移動させることで、歯並びをきれいに整えます。その際に利用するのがワイヤー矯正もしくはマウスピース矯正です。
矯正治療は長い期間装置を装着したままとなるため、矯正治療中の審美性が重要になってきます。できれば、ワイヤー矯正でも審美性に優れた、裏側矯正が可能な矯正歯科を選ぶとよいでしょう。
裏側矯正は表側矯正よりも高い技術力が必要なので、裏側矯正が可能な矯正歯科は信頼できます。また、最も審美性に優れているマウスピース矯正がおこなえる矯正歯科を選ぶことも、大きなポイントになってきます。
矯正歯科の実績
矯正治療の実績が豊富な矯正歯科を選びましょう。多くの方が矯正治療を利用している歯科クリニックなら、実績が豊富なので安心して治療を開始できます。
2~3年と長い治療期間の中では、装置がきつかったり緩んだりするトラブルも想定されます。さらに、歯ぐきや頬の裏側、舌などが矯正装置によって傷つくこともあるでしょう。そんなトラブルも実績が豊富であれば、正確な対処法を施すことが可能となります。
2:高校生が歯列矯正する場合の注意点
次に、高校生が歯列矯正する場合の注意点について解説します。ここでは、転居・開始時期・費用の3つについて分かりやすく解説します。
転居の可能性
高校生が歯列矯正をおこなうには、転居の可能性を考慮しなければなりません。仮に高校1年生で治療を開始した場合は、高校3年生で矯正装置を外すことが可能となります。
しかしその後も1~2年は保定期間としてリテーナーと呼ばれる後戻り防止装置を装着し、定期的な通院が必要となります。矯正装置を使用する期間を2年半、リテーナーの装着期間を1年として計算した場合、卒業後も通院が必要です。高校2年生や3年生であれば、確実に卒業後も治療が継続し通院しなければなりません。
大学進学によって地元を離れるケースもある高校生から歯列矯正をおこなうには、転居の可能性を考慮する必要もあるかも知れません。カウンセリング時に医師に相談して、違う歯科クリニックでも治療を引き継いでもらえるか確認しておくことをおすすめします。
治療の開始時期
可能であれば高校1年から治療を開始するのが望ましいです。
高校1年から治療を開始すれば高校生活の間に矯正装置による治療が完了して、地元以外に転居しても保定期間の治療のみとなるので、引き継げる歯科クリニックが多くなります。
大人と変わらない治療費用
費用については大人と同様で、約60万円~200万円が歯列矯正の目安となります。
本来であれば高校生に払える費用ではないので、保護者が支払うこととなります。高額な費用となるために、高校生で歯列矯正をしたくても経済的な理由で、望みが叶わないケースもあります。
3:高校生の歯列矯正に関するよくある質問への回答
ここでは、高校生の歯列矯正に関するよくある質問と回答を紹介しています。ぜひ参考にしてください。
治療期間はどのくらい?
平均的な期間を挙げるなら、治療期間は2年程度が目安となります。しかし歯列矯正の治療期間は個人差が大きく、開始前の歯並びの状態に左右されます。
高校生の場合の矯正治療は2期治療となり、全ての歯が永久歯に生え変わっていて顎の骨の発達もほぼ完了している状態です。とはいえ成長期であるため、20歳以上の大人と比較すると歯の動きがスムーズで、大人よりは治療期間が短く済むメリットがあります。
できるだけ早い段階で治療を開始すれば、それだけ早く治療を終えることが可能となります。ただし、矯正装置による治療が完了してもその後には保定期間があり、リテーナーを装着して1~2年程度、歯が後戻りしないようにする処置も治療期間に含まれます。
したがって開始から確実に完了するまでは、平均で3~4年の治療期間が必要です。
保険が適用されるケースは?
高校生の歯列矯正にて、保険が適用されるケースは3種類あります。ひとつは厚生労働大臣が定めた疾患が原因で、噛み合わせのズレや歯並びが悪くなった場合に保険診療で治療が可能となります。
厚生労働大臣が定める疾患には、口唇裂口蓋裂(こうしんれつこうがいれつ)をはじめとする61の疾患が定められています。
さらに前歯が3本以上、永久歯が生えてこない疾患となる「永久歯萌出不全(えいきゅうしほうしゅつふぜん)」のケースで、埋伏歯開窓術が必要なケースに限り保険適用となります。
また、顎変形症のうち、顎の骨を切り離す外科的手術をおこなう前後の矯正治療も保険適用になります。いずれもほとんどの高校生が該当しない条件となるので、歯列矯正で保険適用されることは期待しない方が良いでしょう。
矯正中に引っ越した場合はどうなる?
大学進学に伴って矯正治療中に地元から引っ越した場合は、主治医に相談したうえで治療費の清算と新しい矯正歯科への紹介状、今までの治療状況や治療費などが記載された治療継続依頼書の作成を依頼します。
既に矯正治療の費用を全額支払っている場合でも、現状に合わせた清算が定められているので、必ず差額は返金されます。
ただし転居先での矯正歯科では、これまでとは違う治療方針になる可能性があるのでご注意ください。
まとめ
歯列矯正したい高校生に対して良い矯正歯科の選び方や、高校生が歯列矯正する場合の注意点、よくある質問などを解説してきました。
矯正歯科を選ぶ際には、通院のしやすさや大学受験期間への治療間隔の対応があること、審美性の高い矯正治療がおこなえること、矯正治療の実績が豊富であるなどの条件をクリアする歯科クリニックを選ぶとよいでしょう。
注意点としては、転居の可能性を考慮することや高校1年生から早い時期に治療を開始すること、大人と同じ費用が必要になることなどを注意しなければなりません。
高校生で歯列矯正を検討されているなら、ぜひ本記事を参考にして早めの治療を開始しましょう。