「歯列矯正で理想の横顔も手に入れたい」と思う人はたくさんいます。しかし、なかには歯列矯正で「口元が引っ込みすぎてしまった」という例を耳にして、不安な気持ちになっている人も多いかもしれません。
本記事では歯列矯正を検討している人のお悩みや不安を解消するため、口元が引っ込みすぎてしまう原因を解説します。また、トラブルを防ぐために気を付けるべき歯並びや、口元の引っ込みすぎを予防する方法も併せて紹介します。
歯列矯正で口元が引っ込みすぎる原因
歯列矯正では美しい歯並びと横顔が実現しますが、なかには「口元が引っ込みすぎてしまった」というトラブルが発生することもあります。なぜそのようなトラブルが引き起こされるのか、いくつかの原因を紹介します。
参考:https://www.at-smile.jp/column/orthodontics/too-distal
参考:https://www.oh-my-teeth.com/posts/orthodontics-and-the-mouth
参考:https://ginza-unison.com/blog/blog36.html
Eラインを気にしすぎたため
歯列矯正で口元が引っ込んでしまうのは、Eラインを気にしすぎたことが要因となるケースがあります。Eラインとは「理想の横顔」に必要な条件となるものです。顎と鼻の先端を結んだラインのことを指しており、きれいな横顔をつくるための基準として多くの人に知られています。
しかし、Eラインに神経質になりすぎてしまうと、口元が引っ込みすぎる恐れがあるので、こだわりもほどほどにしましょう。
歯の移動距離が大きいため
歯の移動距離が大きくなってしまうことも、歯列矯正で口元が引っ込みすぎる原因になります。歯の移動距離が大きくなるケースは、抜歯矯正を行う場合です。歯列矯正によって抜歯を選択すると、抜歯をしない矯正よりもスペースがとられ歯が動きやすくなります。
歯が大きく動きやすくなるため、最終的に口元が引っ込むこともあるのです。しかし、歯列矯正で抜歯をして、どれほど口元に影響があるのかは個人差があります。気になる人は医師に相談しておきましょう。
抜歯が必要ではなかったため
治療方法が合っていない場合は、口元が引っ込むことがあります。歯列矯正のみに言えることではありませんが、どんなトラブルも患者によって行ったほうがよい治療方法は異なります。自分に治療方法が合っていないと、理想的な結果は得られません。
たとえば、抜歯が必要ないのにも関わらず抜歯をしてしまえば、歯の移動距離がさらに大きくなるため、口元に影響が出る確率が高くなります。
口元の引っ込みすぎに注意すべき歯並び
口元の引っ込みすぎは、歯並びが原因になることがほとんどです。「口元が引っ込みすぎる」という状態は、口元が下がりすぎているといった状態ともいえます。口元の引っ込みすぎに注意しなければならない歯並びは、全部で4つです。
「下顎が小さい」「出っ歯」「上下顎前突」「軽度の不正咬合」と、一つでも当てはまる人は口元の引っ込みすぎに気を付けてください。下顎が小さい場合は下顎自体の骨が小さく、抜歯矯正で整えることもあるため、口元が下がる恐れがあります。
上下顎前突や軽度の不正咬合の場合も、抜歯矯正を行うことが多く、歯の移動距離が大きくなることから口元が引っ込みすぎることもあるでしょう。出っ歯の場合は、歯列矯正によって歯が後ろに下がりすぎたことにより、口元も下がるのは珍しいことではありません。
口元が引っ込みすぎると起こる変化
そもそも、なぜ口元が引っ込みすぎることが、歯列矯正のトラブルとされているのでしょうか。歯列矯正で口元が下がることによって、生じる変化をチェックしていきましょう。
噛み合わせが悪化する
口元が引っ込みすぎていると、噛み合わせが悪くなります。「きれいな横顔を手に入れたい」と美しさを優先しすぎると、むしろ噛み合わせが悪化し、日常生活に負担がかかるケースもあるのです。
「専門的な知識が十分でない医師の施術を受けた」「歯列矯正の診断をきちんと診断しなかった」などのケースに当たると、噛み合わせが悪くなる確率が高くなります。悪い噛み合わせは顎の骨にも負担がかかります。
口元が貧相に見える
どこか「口元が貧相」といった印象を受ける人は、口元が引っ込みすぎていることが原因かもしれません。口元の引っ込みには抜歯矯正が要因になっていることが多く、口元が引っ込みすぎると、肌のハリが失われる恐れもあります。
口周りの組織がもつハリがしぼんで見え、老けてみられる場合もあるでしょう。抜歯矯正をしてから肌のハリがなくなってしまったように思えるときは、口元が下がっていないかチェックしてみてください。
鼻の下が伸びたように見える
抜歯矯正をしてから、鼻の下が伸びたと感じることもあります。「気のせいかも」と思う人もいますが、抜歯矯正後に鼻の下が伸びることはよくあることです。鼻の下が伸びてしまうことにより、口元も下がったような印象を受けます。
抜歯が必要にも関わらず、非抜歯矯正を行った場合も、鼻の下が伸びた状態になることもあるので、注意が必要です。鼻の下が伸びることで、全体の口元が前に突出して見えます。
面長に見える
面長に見えることも、抜歯矯正をして口元が下がったように思えることが影響しています。面長に見えてしまう場合は、噛み合わせが乱れていることが大きく関係しています。たとえば噛み合わせの悪さにより「顔が横に広げられていた」「エラが張っていた」という場合に生じやすくなるのです。
面長に見えることは、口元が下がってしまったというよりも、顔の全体的なバランスが崩れたことにより「口元が引っ込んだ」といった印象を与えやすくなります。
口元の引っ込みすぎを予防する方法
歯列矯正で口元が引っ込むリスクのある人は多いですが、予防をする方法はあります。歯列矯正で後悔をしないためにも、リスクの高い人はあらかじめ予防方法を把握しておきましょう。
医師としっかりすり合わせて治療計画を立てる
歯並びを整えるとき、トラブルを防ぐ1番の方法は信頼できる医師に相談し、自分が納得できる正確な治療計画を立てることです。
美しい横顔を手に入れることにこだわりすぎると、全体の顔のバランスが崩れる原因になりかねません。噛み合わせや正面からみた顔のバランスなども考慮したうえで、確かな結果を得られる矯正方法を医師と探ってください。
悩みに寄り添ってもらえる歯科医院を選ぶ
歯科矯正を検討する場合は、自分の悩みに真剣に向き合ってもらえるクリニックを探すことも大切です。
心から信頼できる医師の特徴としては「患者のお悩みに寄り添ってくれる」「相談しやすい雰囲気がある」といったポイントが挙げられます。自分がコミュニケーションを取るのに心地よく感じられる歯科医院を選びましょう。
適切に精密検査を行ってくれる歯科医院を選ぶ
歯科医院を選ぶ際に注意すべき点は、治療前に適切な説明と精密検査を行ってくれるかどうかも含まれています。歯科医院のなかには、十分な説明もないまま治療をスタートするようなところもあります。
結果的に歯科矯正でのトラブルが引き起こされやすくなってしまうので、事前に口コミなどを調べて十分な説明と、適切な検査をしてくれるところを選んでください。
セカンドオピニオンを活用する
歯科矯正の相談をしたあとで、自分のなかで不安な部分がある場合は、セカンドオピニオンを利用するのも一つの方法です。
セカンドオピニオンを活用すれば、ほかに納得のいく治療法と出合える可能性が高まります。矯正治療の考え方や方針は、医師によって異なります。治療費などは余分にかかりますが、安心を優先させるためにも利用してみてはいかがでしょう。
まとめ
歯列矯正で口元が引っ込むトラブルは、珍しいことではありません。そのため、歯列矯正を検討している人は、大きな不安を抱えているでしょう。しかし、歯列矯正によるトラブルは事前に適切な対処をしていれば、予防できることがほとんどです。
自分で予防策を把握しておくのとおかないのでは、最終的な結果に大きな違いを生み出すので、気を付けましょう。まずは口元が下がってしまう正しい原因を知り、どのような治療を受けるべきなのかを見極めてください。
そのうえで信頼できる歯科医師に相談し、納得のいく治療計画を立ててもらうのがとても大切です。もし不安が残っている場合は、迷わずセカンドオピニオンを活用しましょう。