理想の横顔を手に入れたいとお悩みの場合は、矯正を視野に入れたほうがよいかもしれません。横顔に自信が持てず、人前に出ることにさえ恥ずかしい気持ちがある人も少なくないでしょう。
確かに矯正をすることで、理想の横顔を手に入れられる可能性は高くなりますが、矯正をする前に知っておきたい注意点もあります。本記事では美しい横顔の基準から、矯正の治療方法なども紹介しますので、ぜひ参考としてお役立てください。
きれいな横顔の基準
「理想の横顔」と言っても、何を基準にすればよいのかと悩む人もいるでしょう。きれいな横顔とされるには、いくつかの基準が設けられています。まずは、きれいな横顔の基準を知り、自分の理想の近づけましょう。
参考:https://www.suzuki-or.com/blog/face-as-seen-from-the-side/
Eライン
きれいな横顔の絶対的な条件は「Eライン」です。「イーライン」「エステティックライン」も呼ばれ、一度は耳にしたことのある人は多いかもしれません。Eラインは、横から顔を見たとき、顎と鼻の先端を直線にしたラインのことです。
顎と鼻それぞれの先端を結んだ直線のなかに唇が収まっているのが、きれいな横顔とされています。アメリカの矯正歯科医が1950年代にEラインを提唱し始め、現代でもその基準が受け継がれています。
しかし、もともと鼻の高い欧米人向けの基準となっているため、日本人の場合は唇がEライン上に位置していればきれいな横顔とされています。必ずしもEラインの中に収まっているのが「きれいな横顔」というわけではありません。
Z-angle
Eラインのほかにきれいな横顔とされる条件には「Z-angle」も含まれています。Z-angleは、眼窩下点と外耳道上縁を結ぶ「フランクフルト平面(FH平面)」に下唇と顎の先端を結ぶ直線が交わった角度のことです。
理想の横顔とされるには、Z-angleが70°~78°の基準に入ってなければなりません。Z-angleの角度を矯正する治療を行うだけで顔全体のバランスが整えられ、きれいな横顔が手に入るはずです。
顔の黄金比
顔には、黄金比と呼ばれる基準もあります。顔の黄金比はきれいな横顔にも直結しやすく、黄金比をもつ人は「美しい」と判断されることも多いです。顔の黄金比率は、1:1.618…です。黄金比率の数字で構成されている顔を見ると、ほとんどの人間が美しさを感じています。
そのため、顔の黄金比を意識した矯正治療も行えば、理想の横顔だけでなく顔全体の美しさも得られるかもしれません。ただ、顔の黄金比を手に入れるための矯正治療は、とても難しくなっています。顔の黄金比も手に入れたい人は、一度クリニックに相談してみましょう。
鼻唇角
鼻唇角とは「鼻下線」と「上唇線」が交わる角度のことをいいます。鼻の先端と付け根を引いた線が鼻下線、上唇と鼻の付け根を引いた線が上唇線です。
鼻唇角が90°~110°に入っている横顔は「きれい」とされていますが、角度の基準は男女によって異なります。女性の場合は100°前後、男性の場合は90°~100°です。しかし、クリニックによっても角度の基準は大きく変わります。
すべての医師のなかで、鼻唇角の目標値における意見が一致しているわけではありません。気になる人は、事前に該当のクリニックに問い合わせておくとよいでしょう。
上唇の傾斜度
上唇の傾斜度も、きれいな横顔には必要とされている基準です。上唇の傾斜度は、上唇と鼻の付け根を引いた上唇線と、フランクフルト平面に垂直に引かれた線が交わる角度のことを指しています。
「きれいな横顔」に対してバランスをとる際、上唇の傾斜度は上唇の位置を決めるのに役立てられています。
それぞれの鼻唇角をみながら上唇の傾斜度が決められることも多く、角度自体はクリニックの医師によって異なるでしょう。ちなみに、上唇の傾斜度の日本人平均値は女性が17.9°±5.4°、男性が17.1°±10.4°となっています。
矯正で横顔が変化しやすい症例
矯正治療をすると、横顔が変化しやすい症例があります。美しい横顔を手に入れるために外科手術をする人もいますが、そこまで考えていないという人も珍しくありません。
外科手術ではなく歯列矯正をするだけで理想の横顔を得られる症例もあるので、早速確認していきましょう。
参考:https://ginza-unison.com/blog/blog14.html
出っ歯
出っ歯の症例がある人は、歯列矯正でも理想の横顔を手に入れやすいです。そもそも出っ歯とは、前のほうに上顎が出ている特徴があります。または前歯が前のほうに突出しているという状態もあると出っ歯と判断されます。
「上顎前突」とも言われており、顔を横から見ると口元が前に出てしまい、Eラインが崩れることにもつながっています。
出っ歯できれいな横顔を崩している場合は、前歯の角度を整えれば問題ありません。もしくは後ろに歯列を下げる歯列矯正を行うと、理想の横顔が手に入りやすくなるのでご安心ください。
受け口
受け口の人も、歯列矯正で横顔を美しくできます。受け口は「下顎前突」とも呼ばれており、噛み合わせが上の歯よりも下の歯が前に突出している状態です。 前歯の噛み合わせは、下の歯に上の歯が被せられているのが一般的です。ところが受け口は、顔を横から見ると、下の歯が前に出ているので、下顎が先方に突出してしまうのです。
理想の横顔を得るには外科手術が必要にも思えますが、受け口は下顎の歯列を後ろに下げる矯正を行えば輪郭が整います。下顎の出っ張りもなくなるので、だんだんと美しい横顔に変化しているはずです。
矯正で理想の横顔を実現するための治療法
歯列矯正できれいな横顔を手に入れる場合、どのような治療法があるのでしょうか。治療法について1番気になっている人は多いかもしれません。
矯正で理想の横顔を叶えるには、主に2パターンの治療法があります。それぞれ詳しく説明しますので、自分に合った矯正方法を見つけてみてください。
参考:https://maaortho.com/column/yokogao.html
ブラケットとワイヤーを使った矯正
理想の横顔を手に入れるための矯正の一つには、ブラケットとワイヤーを用いた方法があります。矯正装置を付けることによって、美しい歯並びを実現しています。
しかし、注意したいのは「抜歯をしないことにこだわりすぎる」ことです。抜歯にはネガティブなイメージがある人もいるかもしれませんが、抜歯が必要にも関わらず放っておくと、Eラインが整えられない恐れがあります。
確かにきれいな歯並びが手に入りますが、理想の横顔を諦めなければならない場合もあるのです。美しく歯が並ぶスペースをつくれるように抜歯を行い、ブラケットとワイヤーを使って噛み合わせの調整も視野に入れましょう。
マウスピースを使った矯正
歯列矯正のなかでも、マウスピースは人気です。目立たずに矯正ができることと、取り外しができるのでストレスの少ない矯正方法として知られていますが、マウスピースが対応できる症例は軽度のものに限られます。
抜歯の必要がない症例や、軽度の出っ歯の場合はマウスピースでの歯列矯正でも、理想の横顔を実現できるでしょう。しかし、たとえば顎が大きく前に突出しているような受け口は、マウスピースでの歯列矯正だけでは、横顔を改善できません。
場合によっては、外科手術が必要になることもあるので、詳しい検査が不可欠です。マウスピース矯正で、自分の横顔が改善されるかどうかは、医師にしっかりと確認してみてください。
まとめ
歯列矯正で理想の横顔を得るには、事前にある程度の情報を頭に入れておかなければなりません。「きれい」とされる横顔にはある一定の基準があり、自分の横顔がどう当てはまっているのかを前もってチェックしておくのもよいでしょう。
基準にさえ当てはまっていれば、歯列矯正も必要ないケースもあります。歯列矯正だけで横顔を改善できる可能性のある症例は、出っ歯や受け口です。ただ、出っ歯や受け口に当てはまっていたとしても、外科手術を伴う場合があります。
自分が理想とする横顔は矯正で手に入れられるのかどうかは、実際にクリニックで検査をしなければわからないこともあるので、まずは医師に相談してみるのが大切です。