「パートナーとキスをする際に心配…」というお悩みは、歯科矯正を検討中の方からよく聞かれます。大切なパートナーを傷つけないためにも、歯科矯正中のキスで意識しておくべきポイントをおさえておきましょう。
また、歯科矯正にも種類がありますが、今回は裏側矯正中のキスに焦点をあてて解説します。装置が表から見えないというメリットのある裏側矯正だからこそ、より注意しなければならない点があることを知っておいてくださいね。
裏側矯正中でもキスはできる?
矯正が恋愛に支障をきたしたり、恋人との関係を壊したりといったことがないかを心配する方は割と多くおられます。装置が目立ちにくい裏側矯正だと、そもそもパートナーが矯正していることを知らないということもあるかもしれません。
裏側矯正中でも問題なくキスはできるのか、以下で解説します。
軽いキスは問題なくできる
結論からいうと、歯科矯正中に軽めのキスをしても問題はありません。軽めのキスとは、唇と唇が触れ合う程度のものをイメージするとよいでしょう。歯列の表側に何も装着しない裏側矯正であれば、キスへの影響はなおさら少なくなります。
深いキスは注意する
軽いキスであればとくに注意する必要はありませんが、お互いの舌が絡み合うような深いキスの場合は別です。表側矯正に比べて裏側矯正は装置が見えにくい分、より注意が必要となるでしょう。
歯の裏側ではワイヤーが尖っているところもあるため、パートナーや自分の舌が傷ついてしまう可能性があります。また、傷つくまではいかなくても、装置が舌に当たったり引っかかったりするなど違和感を感じることはあるでしょう。
裏側矯正中にキスをするなら心掛けたいこと
歯科矯正を行っていない場合に比べると、キスの際に気をつけなければいけないことは多々あります。しかし、裏側矯正を障壁と考えるのではなく、お互いの状況を理解し思いやるためのチャンスと捉えてみるのはいかがでしょうか。
矯正に対してポジティブな姿勢を持つことができれば、今後パートナーとの関係がより深まっていくことにつながるはずです。
大切なパートナーや自分自身を傷つけることなく、裏側矯正中にキスをするにはどうすればよいか、いくつかポイントを絞ってお伝えします。
相手に矯正していることを伝え理解してもらう
パートナーに矯正しているという事実を伝えておくことはとても重要です。とくに、裏側矯正の場合、見た目ではわからないためパートナーが装置の存在に気づいていない可能性があります。
何も知らずに舌を絡めるような深いキスをしてしまうと、怪我をする可能性が高まるため注意しましょう。少し言いにくいかもしれませんが、裏側矯正中であることを伝えておくのはパートナーに対する思いやりです。
あらかじめ裏側矯正をしていると知っていれば、キスをする際に装置を意識することが可能なため怪我の予防につながります。また、お互いの理解を深めるうえで、どのようにキスをすればよいか話し合ってみるのもよいかもしれません。
相手の口や舌を傷つけないよう配慮する
裏側矯正していることをパートナーに伝える前に、突然ディープキスをされてしまった場合はどうしたらよいでしょうか。とくに、日本人は歯科矯正に対してネガティブな印象を持つ傾向にあるため、なんとなくパートナーに伝えられないまま関係が深まってしまうことも十分考えられます。
まずは、相手の口や舌を傷つけないように、歯の裏側を自分の舌でおさえるように意識しましょう。自分の口内であればワイヤーの鋭利な部分がどこにあるか把握していることと思います。矯正装置に自分の舌を押し付ける際には、怪我をしないよう十分に注意してください。
パートナーの舌が自分の歯の裏側に触れられないようにすれば、怪我をさせたり痛みを与えたりといった事態は避けられるでしょう。
矯正装置や口内を清潔に保っておく
裏側矯正は、表側矯正よりも口腔内に汚れが溜まりにくいとされます。これは歯の裏側に常についている唾液の作用によるものです。
しかし、歯科矯正中には普段よりも入念なケアが必要であることに変わりはありません。食べカスや歯垢がワイヤーに沈着すれば、口臭などお口のトラブルの原因になるので注意が必要です。
また、口腔内に細菌が存在すると、キスを介してパートナーに感染ってしまうこともあります。とくに、矯正を行っていると感染症の原因となる嫌気性細菌が増加するという研究結果もあり、普段にも増してブラッシングには配慮しなければなりません。
パートナーを虫歯や歯周病にさせないためにも、矯正中のオーラルケアは念入りに行いましょう。
歯科矯正中は基本的に毎食後ブラッシングをすることが望ましいとされます。デート中なども食後の時間に余裕が持てるよう、パートナーにあらかじめ伝えておくことが大切です。
キスへの負担が少ない矯正装置を検討する
適切な注意を払えばディープキスも可能としてきましたが、裏側矯正を行っている以上は、怪我をするリスクもあります。キスのたびに相手のことが心配になったり、さまざまなことに気を遣うのが煩わしくなったりするのであれば、キスへの負担が少ない矯正装置の使用を検討してみてもよいかもしれません。
「マウスピース型矯正装置」であれば、自分で自由に取り外しが行えます。1日20時間ほどは
装着しなければなりませんが、キスで数分外したとしても歯並びの治療に支障はないでしょう。
また、マウスピースを装着した状態でキスすることも可能です。裏側矯正の装置のように鋭利な部分はないため、相手の口や舌を傷つける心配もありません。
ただし、抜歯が必要であったり、顎変形症など外科手術を施さなければならなかったりなど、歯並びの状態によってはマウスピースを使った治療ができないこともあります。検討の際は担当の歯科医にまず相談しましょう。
痛みを感じるときはキスを控える
裏側矯正やマウスピース型矯正は、装着し始めた最初の2~3日は痛みを感じることがあります。人によって感じ方は異なりますが、歯が締め付けられるような感覚や引っ張られるように感じて痛むことが多いとされます。
また、矯正中は口内炎ができることも多く、口の中の粘膜と装置のこすれが原因になるようです。さらに、口腔内の違和感から舌で矯正装置を無意識のうちになぞり、荒れにつながることもあります。歯科矯正後は、痛みにつながるさまざまなことが起こり得ます。
痛みが出ているうちは食事にすら気を付けなければならないため、キスは控えましょう。
矯正用ワックスを使用する
パートナーとキスをする際に、矯正用のワックスを使用してみるのもよいでしょう。ワックスには矯正装置の鋭利な部分を緩和する効果があり、口の粘膜や口内炎に装置が当たって痛む場合にも用いられます。
使用時の注意点として、ワックスをつける前には必ず手を清潔に保っておきましょう。また、歯磨きをして汚れを落としておくことも必要です。歯や矯正装置の水分ははがれの原因となるため、しっかり拭っておきましょう。
貼り付ける位置を決め、ずれないように確認しながら密着させます。ワイヤー部分を包み込むように保護すると、キスの際に気になっていた舌を傷つけやすい部分も気にならなくなるでしょう。
【まとめ】
今回の記事では「裏側矯正中にキスをしてもよいか」ということについて解説しました。
裏側矯正中でもキスをすること自体は問題ありません。ただし、情熱的な深いキスを交わす場合、パートナーや自分の舌、唇などを傷つけてしまうリスクがあることは知っておきましょう。
大切なのは、あらかじめパートナーに裏側矯正中である事実を伝えておくことです。また、日頃からオーラルケアを念入りに行い、常に口腔内を清潔に保つよう努めましょう。ワックスの使用やマウスピース型矯正への変更も、場合によっては検討してみてもよいかもしれません。
裏側矯正中でもパートナーと良好な関係を築き、お互いを思いやれるように配慮しましょう。