「あまり目立たせずに歯並びをきれいにしたい」と考えている方にとって、矯正治療はとてもおすすめです。歯の裏側に矯正装置をつける裏側矯正は、矯正装置を目立たせない治療方法です。この記事では裏側矯正の値段・費用の相場を詳しく解説します。
また、表側矯正やマウスピース矯正の特徴と比較しながら、裏側矯正のメリットやデメリットもご紹介します。
1:裏側矯正の値段相場
裏側矯正の値段相場はおおよそ、フルリンガル(上下顎とも裏側)で約100万円から120万円です。表側にワイヤーをつける表側矯正は、フルリンガルで約80万から100万円が相場です。裏側矯正は、表側矯正よりも費用が高い傾向があります。
裏側矯正は表側矯正に比べ、高度な歯科医師の技術が問われます。したがって裏側矯正は表側矯正よりも高額となります。
裏側矯正は歯の裏側に矯正装置がぴったり合うように微調整しながらつけているため、治療の終盤で細かいかみ合わせを調整するときに歯科医の高いスキルが必要とされています。
また、ハーフリンガル(片顎だけ裏側)は約100万円前後です。ハーフリンガルの場合、上の歯だけは裏側から装置をつけます。
裏側矯正の値段は、歯科医院によっても相場が異なります。都内ではハーフリンガルで約75万円、フルリンガルで約95万円の比較的低価格で裏側矯正が可能な歯科医院もあります。財布と相談しながら納得のいく歯科医院を選ぶようにしましょう。
歯科医によっては初診相談やカウンセリングを無料でできるところもあります。できる限り複数の歯科医院に相談をしたうえで、気に入ったところを選ぶのがおすすめです。
2:裏側矯正の治療期間
裏側矯正の治療期間は、一般的に1~3年です。歯の状況によっても異なり、長い人だと5年以上かかる人もいます。歯の裏側は凸凹しており、装置作成や装着のための準備期間で期間が長くなる可能性もあります。
基本的には、もともとの歯並びや凸凹具合によって期間が変わると考えておきましょう。数週間から毎月1回、調整をしながら歯並びを整えます。裏側矯正は表側矯正よりも歯科医の技術が必要になるため、歯科選びが重要です。裏側矯正を得意としている歯科医院を選べば、ほかの治療方法の期間と大差なく治療を終えられるでしょう。
3:裏側矯正のメリット・デメリット
裏側矯正のメリットおよびデメリットをご紹介します。
メリット
裏側矯正のメリットは、多く分けて4つあります。
裏側矯正における1つ目のメリットは、装置が目立たないことです。日常会話や仕事のプレゼンなどでも、装置が見えないため余計な心配をせずにすみます。結婚式などを控えている場合、裏側矯正であれば正面からは矯正装置が見えないため、装置を外す必要がありません。
2つ目のメリットは、ホワイトニングしながら矯正が可能な点です。有資格者によるホワイトニングは、表側矯正の場合だと表側に常に矯正装置がついているため不可能です。
また、マウスピース矯正は自宅で行うホームホワイトニングの場合、マウスピースが装置にぶつかってしまうためできません。しかし裏側矯正は歯の裏側のみしか矯正装置がついていないため、矯正とホワイトニングを並行して行えます。
裏側矯正の3つ目のメリットは、食事の時に詰まったものが目立ちにくい点です。表側矯正は気を付けて食事しても装置についた食片が目立ちやすいです。裏側矯正でも食片がついてしまうことはありますが、表側矯正と比較するとほかの人から気づかれにくいでしょう。
また、裏側矯正は表側矯正と比べて虫歯のリスクが低いです。装置が裏側にあることで歯の表面は通常通り歯磨きできます。加えて歯の裏側は唾液が常に循環している場所です。唾液による自浄作用が働き、虫歯のリスクを軽減できます。
裏側矯正の4つ目のメリットは、歯並びの改善がすぐに実感できる点です。歯の表側に装置がついていないため、歯並びの改善が実感できます。表側矯正は矯正器具がついているため、実感しづらいです。周りの方にもきれいになっていることが伝わりやすいといえるでしょう。
デメリット
裏側矯正にはデメリットもあります。
1つ目が治療できる歯科医院が限られる点です。裏側矯正は歯科医の資格を取ったからといって、誰でもできる矯正方法ではありません。
なぜなら裏側矯正は、大学で研修しないためです。現状は矯正専門の歯科医院であっても、必ずしも裏側矯正ができる歯科医院とは限りません。つまり、裏側矯正の治療ができる歯科医院は数が少ないです。
したがって住んでいる場所によっては、豊富な経験を持った医師や医院を探すことは難しいといえるでしょう。さらに歯科医技術が必要なため、料金も表側矯正と比較すると高額です。
2つ目のデメリットは、舌先が傷つきやすくなることです。裏側矯正は舌先を傷つけやすく、人によっては口内炎ができやすくなります。舌で装置を触ってしまう癖が原因で口内炎ができる場合は、舌癖を改善することで口内炎ができにくくなる場合もあります。
3つ目のデメリットは、発声がしづらくなることです。矯正装置をつけると、慣れないうちは発生が難しくなる場合もあります。
裏側矯正は装置が内側につきます。装置と舌が当たることによって滑舌が悪くなったり、特定の行が発音しづらくなったりする可能性があるでしょう。
4:裏側矯正はこんな人におすすめ
裏側矯正のメリットとデメリットと確認したうえで、おすすめの人を紹介します。
周囲の人たちに気づかれたくない人
一番におすすめの人は、矯正を周囲の人に可能な限り気づかれたくない人です。歯は印象を左右する大事な要素であるため、芸能人も裏側矯正するケースが多いです。歯列矯正はしたいけど、人の見る目が気になる人にとって裏側矯正は最適な選択肢といえるでしょう。
人と接する機会が多い人
人と接する機会が多い人もおすすめです。人と接する機会が多いということは、必然的に人と話す機会も増えます。人と話すときに自分の表情が気になると会話に集中できないかもしれません。そんな方には裏側矯正をおすすめします。
スポーツをしている人
あまり知られていませんが、裏側矯正はスポーツしている人にとってもおすすめの矯正方法です。ラグビー、ボクシングなどのコンタクトスポーツをしている人は、口の粘膜が傷ついてしまうケースがあります。
表側矯正は表側に矯正装置がついていることから粘膜に当たりやすいです。裏側矯正は矯正装置が裏側にしかついていないため、矯正装置が粘膜に当たりにくいといった特徴があります。激しいスポーツをしている人は裏側矯正がおすすめです。
矯正装置の取り外しが面倒だと感じる人
矯正の取り外しが面倒だと感じる人にも裏側矯正は適しているでしょう。近年はマウスピース矯正など、矯正装置を取り外しできるものもあります。マウスピースの場合は食事や歯磨きの際に取り外す必要があります。
裏側矯正は取り外す必要がないため、取り外しが面倒だと感じている方は取り外し不要な裏側矯正を選んでみてください。
まとめ
今回は裏側矯正の費用の相場やメリットやデメリットを解説しました。周囲の人に気づかれたくない人やイベントを控えている人、スポーツしている人にとって、裏側矯正はおすすめの矯正方法です。
歯科によっても費用が異なるため、納得のできる歯科を選ぶようにしましょう。通院のしやすさも考慮し、自宅や職場の近くで探してみてください。裏側矯正が治療可能な歯科医を見つけたら、相談をしてみましょう。