感染対策について
治療において、忘れてはならないことが感染対策です。当院では、専用の器械を用いて器具の滅菌を行い、徹底した感染対策を行っています。
オートクレーブ(高圧蒸気滅菌装置)
高圧の蒸気をかけることにより、金属製器具の滅菌ができます。
ホルホープデンタル(ガス滅菌器)
従来の滅菌器ではできなかった、ゴム製品・シリコン製品・ガラス製品の滅菌、現時点で存在するあらゆるウィルス(HIV、HBV)
の滅菌においても有効です。
滅菌とは…
すべての微生物を化学的、物理的手段で殺滅するか、完全に除去し、無菌状態とすること。
消毒とは…
人畜に有害な微生物または目的とする微生物だけを化学的・物理的手段で殺滅すること
洗浄とは…
(除菌) 流水と洗剤を用いて、目に見える汚れを洗い落とすことと定義付をしています。
微生物の除去方法
レベル | 物理的方法 | 化学的方法 |
---|---|---|
滅菌 | 高圧蒸気滅菌等 | エチレンオキサイドガス |
消毒 | 煮沸、濾過等 | 消毒剤 |
洗浄 | 洗剤等 |
高圧蒸気滅菌法(オートクレーブ)
•対象物は、熱に耐性のある物品、ほとんどすべての金属類、ゴム製品の大部分、布製品、一部のプラスチック製品など。
エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌法
•対象物は熱に耐性のない器具の滅菌に適する。
消毒剤
•適正に使用することで効果が発揮される。医療現場で用いられる消毒剤
・グルタラ-ル、フタラール ・消毒用エタノール
・次亜塩素酸ナトリウム ・ベンゼントニウム
・ベンザルコニウム ・クロルエキシジン
院内感染とは
院内で新たな感染症に罹患することです。院内感染には患者さまも医療従事者も含まれます。
病原体とは
感染症を引き起こす原因は細菌、ウィルスが原因となっています。
感染症の原因となるものを総称して病原体といい、病原体量が少なければ少ないほど感染は成立しにくくなります。
感染と微生物量
・ウィルスは微量でも感染します。
・創損傷した粘膜、異物挿入部は少量でも感染します。
・免疫が低下すると少量でも感染します。
感染症とは
病原体が体内に侵入して、発育・増殖し感染症状が発症することをいいます。病原体は存在するが感染症状を発症していない状態は含みません。
歯科治療上、特に注意が必要な感染症
HIV感染症 | 感染・数週間後に一過性の急性ウィルス感染症状を来し、無症候性キャリアを経て、通常数年~10年の潜伏期の後に後天性免疫不全症候群(AIDS)を発症します。 |
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HBV感染症 (約200万人) | 肝細胞で感染、増殖し、急性B型肝炎を発症し、ウィルスは排除されます。新生児・小児・免疫不全患者では感染は持続し、無症候性キャリアあるいは、慢性肝炎となることがあります。 |
HCV感染症 (約200万人) | 感染後、潜伏期の後、急性肝炎を発症しますが約50~80%は慢性肝炎に移行します。慢性C型肝炎は10~20年後には肝硬変を経て原発性肝癌になります。 |
中性電解水<アクラリーテ>を導入しています
歯科医院では水を大量に使用します。当院では、院内感染の防止には、「水」が重要であると考えています。そこで、大腸菌やノロウィルス、鳥インフルエンザに高い効果を示した中性電解水<アクラリーテ>を導入しました。アクラリーテで生成される中性電解水とは、電解促進剤を一切加えず、水道水だけを電気分解して生成される歯科医療に適した安心・安全な治療水です。
うがいや切削のときに使用するアクラリーテ水は無菌状態を保っていますので、安心して治療を受けていただけます。また、治療器具の洗浄、医師・スタッフの手洗いとして使用することにより、院内感染防止、衛生管理の向上を図っています。